症例
左卵巣腫瘍のautoamputationによると考えられた遊離卵巣腫瘍の1例
朝野 晃
1
,
島 崇
1
,
早坂 篤
1
,
渡邊 マリア
1
,
鈴木 博義
2
,
小澤 信義
1
,
和田 裕一
1
1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター産婦人科
2独立行政法人国立病院機構仙台医療センター臨床検査科
pp.105-108
発行日 2012年1月10日
Published Date 2012/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102894
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要旨
症例は47歳で,子宮がん検診時に右卵巣腫瘍を指摘され受診した.超音波検査およびMRIで,子宮の右腹側に径8 cmの嚢胞性腫瘤を認め,右卵巣腫瘍の診断で腹腔鏡下に手術を施行した.手術時左卵巣は索状で,右卵巣は正常大であった.膀胱子宮窩右寄りの腫瘍は,腫瘍前壁と壁側腹膜に索状の癒着を認めたため,癒着を剝離し摘出した.腫瘍は茎捻転後にautoamputationにより遊離し,腹膜に癒着した左卵巣腫瘍と思われ,病理診断は成熟嚢胞性奇形腫であった.autoamputationした遊離卵巣腫瘍はまれであるが,卵巣腫瘍の鑑別診断として考慮する必要があると思われた.
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