連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
妊娠高血圧症候群による肺水腫を合併した周産期心筋症の1例
上西園 幸子
1
,
茂田 博行
1
1横浜市立市民病院産婦人科
pp.100-104
発行日 2012年1月10日
Published Date 2012/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102893
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症例
患者 25歳,1経妊0経産.
主訴 呼吸困難感.
既往歴 特記事項なし.
現病歴
自然妊娠による2絨毛膜2羊膜性双胎であり,近医にて妊娠26週まで妊婦健診を受けていたが,特に異常を指摘されていなかった.妊娠26週5日に当院初診.初診時には血圧121/74 mmHgと高血圧を認めなかった.妊娠32週2日に血圧143/85 mmHgと高値を認め,自宅血圧測定の指導を行った.また,経腟超音波検査にて頸管長が22 mmと短縮しており,明らかな子宮収縮やfunnelingを認めなかったものの,双胎妊娠であることも考慮し,塩酸リトドリン15 mg/日の内服を開始した.妊娠33週3日より呼吸困難を自覚したため,翌日当科を受診した.
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