原著
卵巣癌との重複癌症例の臨床的検討
朝野 晃
1
,
太田 聡
1
,
松浦 類
1
,
早坂 篤
1
,
和田 裕一
1
1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター産婦人科
pp.1243-1247
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101868
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当科で治療した卵巣癌(境界悪性腫瘍を含む)298例中,重複癌症例は同時性癌が11例,異時性癌が20例の計31例で,卵巣癌症例全体の10.4%であった.同時性重複癌の癌種は6例が子宮体癌であった.卵巣癌以前に他臓器癌を発生していた異時性重複癌は10例で,乳癌が最も多く4例で,胃癌と大腸癌が2例と次に多く,他臓器癌との発生間隔は1~28年であった.卵巣癌以後に他臓器癌を発生していた異時性重複癌は12例で,乳癌が5例で最も多かった.他臓器癌との発生間隔は1~12年であった.卵巣癌の重複癌では,特に卵巣癌以後に発生する乳癌や消化器癌に注意する必要があると思われた.
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