今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント
不妊・避妊
3.黄体機能不全
杉野 法広
1
1山口大学大学院医学系研究科産科婦人科学
pp.479-487
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102636
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1 概 念
黄体機能不全とは,黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌不全により,子宮内膜の分泌性変化が完全に起こらないものと定義されている.しかし,実際には黄体からのホルモン分泌に異常がなくても子宮内膜の変化に異常がある場合もあり,子宮内膜自体の異常も含めて黄体機能不全を取り扱っているのが現状である.したがって黄体機能不全(luteal phase defect)とは,黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌不全によって引き起こされる着床障害,または分泌期子宮内膜自体の異常によってひき起こされる着床障害と考えられる.
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