増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル
婦人科編
Ⅱ.内分泌・不妊
黄体機能不全
松崎 利也
1
,
柳原 里江
2
,
岩佐 武
2
1吉野川医療センター産婦人科
2徳島大学大学院医歯薬学研究部産科婦人科学分野
pp.68-71
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209970
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処方のポイント
◆黄体機能不全の病態,診断基準は確立しておらず,排卵障害や高プロラクチン(PRL)血症を伴うもの以外では病的意義や治療効果がはっきりしていない.
◆卵胞発育遅延などの軽度排卵障害を伴う症例では,排卵誘発薬を用いた卵巣刺激により黄体機能が改善する.
◆高PRL血症を伴う症例では,PRL上昇の原因に応じてドパミン作動薬,甲状腺ホルモンなどの投与により黄体機能が改善する.
◆排卵障害や高PRL血症を伴わない黄体機能不全で,黄体期のhCG投与や黄体ホルモンの経口補充が妊娠率を向上させるというデータはない.排卵誘発薬を用いた卵巣刺激は原因不明不妊の場合と同様に妊娠率を向上させると考えられる.
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