特集 フローチャートでわかる 婦人科外来診療パーフェクトブック
Ⅳ 生殖・内分泌
42.黄体機能不全
田村 功
1
,
杉野 法広
1
I. Tamura
1
,
N. Sugino
1
1山口大学大学院医学系研究科産科婦人科学
pp.1377-1381
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003178
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黄体機能不全とは,黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌不全により,子宮内膜の分泌性変化が完全に起こらないものと定義されている。その原因としては,① 高プロラクチン(prolactin;PRL)血症による黄体形成ホルモン(luteinizing hormone;LH)分泌低下や,② 卵胞発育不全に伴う黄体形成不全などが考えられている1)。しかし,実際には黄体からのホルモン分泌に異常がなくても子宮内膜の変化に異常がある場合もある。よって,子宮内膜の異常も含めて黄体機能不全を取り扱っているのが現状である。したがって,黄体機能不全とは,黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌不全によって引き起こされる着床障害,または分泌期子宮内膜自体の異常によって引き起こされる着床障害と考えられる2)。
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