今月の臨床 産婦人科画像診断のセカンドチョイス
画像診断,最新の進歩
2.CT
加藤 良一
1
,
花岡 良太
2
,
魲 成隆
2
,
伴野 辰雄
2
,
片田 和広
2
1藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科
2藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室
pp.940-945
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102401
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はじめに
64列マルチスライスCT(multislice CT : MSCT)は,その高速性により,全身どの部位においても,1回呼吸停止下での広範囲のCT検査を可能とした1).腹部領域においては0.5 mmという薄いスライスによる多時相撮影を容易に行えるようになり,得られる等方性ボクセルから作成される多時相の多断面再構成像(multiplanar reconstruction : MPR)やCT Angiography(CTA)の情報は,血管造影よりも術前情報としての有益性が高いので,最近では腹部外科・泌尿器科の術前血管造影の依頼は皆無となり,CT精密検査のみで術前評価がなされるようになってきている.さらに,320列面検出器CT(area detector CT : ADCT)はMSCTでみられるスキャン時間,座標精度,データの同時性,被曝の重畳などに関する問題点を解決するために,さらに進化した装置である2, 3).本稿では64列MSCT・320列ADCT技術の進歩と産婦人科領域における臨床応用について概説する.
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