グラフ 高速CTによるイメージング・10
脳血管病変における三次元CT血管像(3D-CT)
小倉 祐子
1
,
片田 和廣
2
,
加藤 良一
1
,
古賀 佑彦
1
,
佐野 公俊
3
,
加藤 庸子
3
,
神野 哲夫
3
,
井田 義宏
4
,
石黒 雅伸
4
,
片方 明男
4
,
岩瀬 秋吉
4
1藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室
2藤田保健衛生大学衛生学部診療放射線技術学科
3藤田保健衛生大学医学部脳神経外科
4藤田保健衛生大学病院放射線部
pp.2217-2223
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905381
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頭蓋内血管は複雑に走行し,脳血管造影などの投影像ではどの方向から観察しても血管同士の重なりが避けられず,血管の全体像の把握にはステレオ視を駆使するなどの少なからぬ経験と知識が要求される.一方,三次元CT(以下,3D-CT)は,CTのボリュームデータを用いて立体表示する手法で,これを血管像に応用した三次元CT血管像(three-dimensional CT angiography:以下,3D-CTA)によれば,特殊な訓練を受けていない者でも複雑な血管像を容易に立体把握することが可能である.
脳血管病変における3D-CTAの応用は,以前よりthin sliceの軸位断像を数十枚にわたり撮影することで試みられていた1).近年ではヘリカルスキャンCT(以下,HES-CT)の開発により造影剤の有効利用と高い連続性が可能となったため,より簡便で良好な3D-CTAが得られるようになってきた2,3).さらに現在,コンピュータ計算処理能力の向上により,得られた三次元データの後処理は格段に高度化・高速化し,3D-CTAの臨床応用は今や実用化されつつある.本稿では,HES-CTを用いた脳血管領域,主に脳動脈瘤における3D-CTAにつき,代表的症例を呈示しながら述べる.
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