今月の臨床 産婦人科画像診断のセカンドチョイス
画像診断,最新の進歩
1.MRI
山下 詠子
1
,
三上 幹男
2
,
今井 裕
1
1東海大学医学部画像診断学
2東海大学医学部産婦人科学
pp.932-939
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102400
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はじめに
産婦人科領域の画像診断において,組織コントラストの描出に優れたMRIはもはや欠かすことのできない検査法として確立されている.近年めざましく発展した高速撮像法に加え,超高磁場装置3 teslaの登場によって,1.5 teslaより高い信号対雑音比(signal to noise ratio : SNR)が期待されている.しかし3 tesla MRIによる体幹部検査においては,RFパルスの不均一な貫通性による信号むらや比吸収率(specific absorption rate : SAR)の制限,消化管ガスや内容液,腹水などによるアーチファクトのため画質の最適化は困難を極め,体幹部領域での運用は敬遠されがちだった.しかしRFパルスの均一化を可能とした新しいMultiTansmit RF system(MTシステム)の開発によりこれらの問題は改善した.
ここではシネMRI,拡散強調画像とADC値,高分解能T2強調画像,3D─T2強調画像(VISTA)といった技術革新に注目し,女性骨盤領域におけるMRIの有用性を概説する.
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