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編集後記
神崎 秀陽
pp.1144
発行日 2014年11月10日
Published Date 2014/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200048
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医学卒前教育はチュートリアル制度の導入やクリニカルクラークシップの充実によって,より実践的な欧米様式を重視する傾向にあるが,同時に看護系の人材育成環境も大きく変化してきている.平成4年に「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が施行され,それ以後4年制の看護大学あるいは学部や学科が急増してきた.これまでは既存の3年制の看護専門学校からの移行が多く見られたが,最近数年では,まるで雨後の筍のように,医学部を持たない理科系のみならず文科系の大学が看護学部や看護学科を新たに設立している.超高齢社会到来により将来の看護師需要見込みがあるとはいえ,このような急増状況をみると,適正な医療・看護ニーズに対応するための看護師養成ができる指導教員や必要な実習病院の確保への懸念はぬぐえない.18歳人口の減少に伴う学生数の減少への学校経営上からの施策からとすれば,高度専門職業人としての人材育成が行えるかどうか,各大学における教育内容の評価と卒業後の看護師としての活動実態調査が必要であろう.医学教育に携わる者としては,数年来で新設された,あるいは今後開設予定の多数の看護系大学,学部・学科が看護教育の質を担保しているかどうか,監督官庁である文部科学省は認可した責任上もしっかりフォローして指導していただきたいと思っている.
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