今月の臨床 若年女性の月経異常を診る
若年女性の子宮内膜症への対処
原田 省
1
1鳥取大学医学部生殖機能医学
pp.1083-1085
発行日 2009年8月10日
Published Date 2009/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102160
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はじめに
子宮内膜症は生殖年齢女性のおよそ10%に発生し,月経痛をはじめとする疼痛および不妊を主症状とする疾患である.近年,女性の晩婚化や少子化に伴い本症は増加傾向にあり,社会的関心も高い.疫学研究によれば,初経が早いこと,月経の回数が多いことや期間が長くなることが本症の発生頻度増加に関連するといわれている.したがって,およそ90%の女性で観察される月経血の骨盤内への逆流現象が,本症発生のキーファクターと考えられる.一般に,本症の発生は月経初来前にはみられず,30歳代後半から40歳代に発生頻度のピークがみられ,その後閉経に向かって発生頻度は減少する.このことから,本症の発生・進展はエストロゲン依存性であると理解される.
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