特別寄稿
子宮内膜症の女性のケア
宇野 澄江
1
,
加藤 治子
2
1ウィメンズセンター大阪
2阪南中央病院産婦人科
pp.924-929
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903438
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子宮内膜症は増えているのか?
女性のからだと心の相談を受けている「ウィメンズセンター大阪」で,子宮内膜症についての相談が増えてきたのは,5,6年前からである。私たちがこの病気について最初に勉強したときに抱いた,なんとも曖昧な病気であるという印象は,その後詳しく知るようになってからも,あまり変わっていない。主症状である月経痛はとても個人差が大きいし,それが異常なのかどうか自分ではわかりにくい。思いきって医師の診察を受けても,はっきりと診断はつかないまま投薬だけされて,今度はその副作用等に悩むケースが多い。しかもそれらの薬で完治することは少ない。
日本で子宮内膜症が実際に増加しているかどうか,明確なデータはないが,開腹手術時や腹腔鏡検査の際に,子宮内膜症の所見が見られるケースが増えてきたと言われている。また,治療薬の開発や診断機器の普及もこの病気の診断増加の一端を担っているかもしれない。
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