症例
子宮体癌に合併した子宮脂肪腫の稀な1例
佐藤 賢一郎
1
,
森下 美幸
1
,
鈴木 美紀
1
,
水内 英充
2
,
水内 将人
3
,
両坂 美和
3
,
松浦 基樹
3
,
北島 義盛
4
,
塚本 健一
5
,
藤田 美悧
5
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2旭川みずうち産科婦人科
3札幌医科大学産婦人科
4札幌セントラル女性クリニック
5新日鐵室蘭総合病院臨床病理検査室
pp.753-757
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102107
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今回われわれは,子宮体癌に合併した子宮脂肪腫の稀な1例を経験した.
症例は82歳(閉経42歳),不正性器出血を主訴に他院産婦人科を受診し,子宮体癌の診断にて精査・治療の目的で当院へ紹介された.子宮体癌のほかに,子宮底部の漿膜下~筋層内に径約2.0 cmの,経腟超音波で均一で境界明瞭,高輝度,CTでは境界明瞭なlow density像として描出される腫瘤を認め,脂肪平滑筋腫を疑った.腫瘍マーカーはCA72─4 14.7 U/ml(基準値10.0以下)と若干の高値を示したが,CA125,CA19─9,CEAは基準範囲内であった.MRIは下肢プレート挿入中のため施行できず.
2008年6月下旬に入院のうえ,手術を施行した.病理組織検査の結果で,子宮体癌Ib期(類内膜腺癌G1)と成熟した脂肪細胞からなる腫瘤を認め,明瞭な被膜は認められず筋層に接し,わずかの血管と血管周囲結合組織が認められるが平滑筋成分は認めなかったため子宮脂肪腫(pure lipoma)と診断された.
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