症例
外陰口に達した比較的大きな子宮頸管ポリープの1例
佐藤 賢一郎
1
,
水内 英充
2
,
森下 美幸
1
,
鈴木 美紀
1
,
北島 義盛
3
,
水内 将人
4
,
両坂 美和
4
,
塚本 健一
5
,
藤田 美悧
5
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2旭川みずうち産科婦人科
3五輪橋産科婦人科小児科病院
4札幌医科大学産婦人科
5新日鐵室蘭総合病院病理検査室
pp.1591-1595
発行日 2008年12月10日
Published Date 2008/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101930
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今回われわれは,外陰部の異物触知を主訴に受診したところ,外陰口に達する比較的大きな頸管ポリープであった1例を経験した.症例は45歳(閉経前),2経妊・2経産,約4時間前より外陰部に異物感を認め受診した.外陰部の視診にて淡紅色の母指頭大程度の腫瘤が腟入口に認められ,腟鏡診にて子宮頸管後唇中央よりectocervixに発生した約5×3×2 cmの子宮頸管ポリープを認め腟入口まで下垂していた.子宮頸管ポリープの基部よりクーパー剪刀にて切除し縫合止血を行った.病理組織所見では表面は扁平上皮で被覆され,ポリープ内部は嚢胞性で,嚢胞壁は頸管腺上皮で覆われており,いわゆるナボット卵を内在して増大した子宮頸管ポリープであった.巨大子宮頸管ポリープは稀であるが,悪性化の問題や鑑別診断,妊娠時も含めた臨床的取り扱いなど臨床的に興味ある,そして重要な問題点が存在する.今後,さらなる症例の積み重ねによる知見の集積が必要であると考える.
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