今月の臨床 婦人科がん化学療法up to date
子宮頸癌
2. 同時化学放射線療法のレジメンとその有効性
兼安 祐子
1
,
和田崎 晃一
2,3
,
永田 靖
1
,
伊藤 勝陽
1
1広島大学大学院医歯薬学総合研究科放射線医学
2前 広島大学大学院医歯薬学総合研究科放射線医学
3現 県立広島病院放射線科
pp.677-687
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101763
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はじめに
1999年,子宮頸癌に対する5つのランダム化比較試験1~5)の結果に基づき,米国National Cancer Institute(NCI)が進行子宮頸癌に対して同時併用化学放射線治療(concurrent chemoradiotherapy : CCRT)を推奨する勧告が発表されて以来,CCRTは注目されるようになった6~25).わが国でも最近のPCS(Pattern of Care Study)調査報告によると,子宮頸癌に対するCCRTの適用率は,1995~1997年の調査ではわずか5%であったが,1999~2001年の調査では17%,2003~2005の調査では50%程度まで上昇している26, 27).しかし,諸外国と比較してわが国における子宮頸癌の治療方針はいくつかの点で異なっている28~30).欧米でCCRTの対象としているのは40歳代(中央値)と比較的若年であるのに対し,わが国では若年層は根治手術が施行されることが多いため,CCRTの対象は一般に欧米より高齢であることが多い.また放射線療法の治療スケジュールも,総治療期間,中央遮蔽の有無,腔内照射の線量率などにおいて,欧米とわが国では異なる.したがって,欧米でのCCRTのレジメンをそのままわが国に当てはめてよいかは不明である.今回,CCRTのレジメンとその有効性を検討した.
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