今月の臨床 婦人科がん化学療法up to date
子宮体癌
2. 再発に対するレジメンとその有効性
小林 佑介
1
,
阪埜 浩司
1
,
青木 大輔
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.706-711
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101768
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はじめに
本邦における子宮体癌の発症頻度は欧米と比較して低く,ほかの婦人科がんと比較して比較的予後良好な疾患とされてきた.しかし,最近では罹患数の著しい増加に伴い,臨床の現場では再発の症例に遭遇することも少なくない状況となってきている.National Comprehensive Cancer Network(NCCN)の子宮体癌ガイドラインにおいても再発子宮体癌の治療法は多岐にわたり,明確な指針がないのが現状である.当然ながら,治療法の選択は臨床試験により集積されたエビデンスに基づいてなされるべきであり,臨床試験のデザインが比較的容易であることから再発子宮体癌の化学療法を対象とした大規模な臨床試験がすでに行われ,新しいエビデンスが得られつつある.また,再発子宮体癌に対するprogesterone製剤をはじめとする内分泌療法についてもさまざまな報告がなされている.
本稿では,再発・進行子宮体癌を対象としたランダム化比較試験におけるレジメンの変遷とその有効性を概説するとともに,内分泌療法についても触れることによって再発子宮体癌の化学療法を考察し,今後の展望について紹介する.
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