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編集後記
神崎 秀陽
pp.352
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101709
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昨年秋に世界で最も税金が高い国といわれるデンマークに数日滞在しました.付加価値税(日本の消費税)は25%で,自家用車税が180%と驚くほど高い水準です.EUに属してはいるのですが,通貨はユーロではなくデンマーク・クローネを維持し,九州とほぼ同じ面積に500万人強の人口です.コペンハーゲン郊外にあるバルト海に面した東海大学所有の研修施設で開催されたカンファレンスに参加して,近接するリゾートホテルに宿泊しました.宿泊費や食費などから感じた物価の高さは日本以上です.懇親会でほぼ同世代のデンマーク国籍もあるドイツ人研究者(二重国籍)と話す機会があり,彼から聞いたところでは,収入の7割以上を税金として納めているそうです.
帰国してから統計を調べてみると,一般市民の平均所得税率は59%,平均市民税は32%にもなっていました.しかし社会福祉制度は非常に充実しており,夫も育児休暇を取って協力するため,出産前後の一時期以外は女性も問題なく仕事を継続することができます.もちろん医療費や大学も含めた教育費は無料で,おまけに学生には全員に国から奨学金が支給されています.
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