今月の臨床 ここまできた分子標的治療
分子標的治療の臨床応用
4.乳癌
坂本 康寛
1
,
石岡 千加史
1
1東北大学加齢医学研究所癌化学療法研究分野
pp.1270-1275
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101585
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はじめに
乳癌は固形癌のなかで薬物療法に対する感受性が最も高い腫瘍の1つであり,内分泌療法薬および化学療法薬に対する標準治療が早くから確立していた.乳癌は分子標的治療薬に対する感受性も高く,HER2陽性転移性乳癌に対するtrastuzumabが固形癌に対する初めての分子標的治療薬として承認された.Trastuzumabの有効性はHER2陽性乳癌の補助療法においても示されたほか,その後,複数の分子標的治療薬が登場し,転移性乳癌に対して有効性が示されている.本稿では,乳癌に対する最新の分子標的治療薬の臨床試験成績についてtrastuzumab,bevacizumab,lapatinib,sunitinib,TSU─68に焦点を絞り概説する.
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