今月の臨床 ここまできた分子標的治療
分子標的治療の臨床応用
5.大腸癌
山本 浩文
1
,
関本 貢嗣
1
,
門田 守人
1
1大阪大学大学院外科学講座・消化器外科
pp.1276-1281
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101586
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はじめに
現在大腸癌の治療に利用される化学療法剤としては,5-FU,l-LV,CPT-11(irinotecan),L-OHP(oxaliplatin)の4剤が主であり,通常l-LVは5-FUのbiological modulatorとしてセットで使用される(表1).多くの臨床試験の結果から,5-FU/LVはCPT-11やL-OHPと組み合わせて多剤併用療法(FOLFOX,FOLFIRI,IFL)として利用されるようになった(表1).大腸癌に対する分子標的治療薬としてすでに臨床効果の認められているものは,抗EGFR(epidermal growth factor receptor)抗体と抗VEGF(vascular endothelial growth factor)抗体の2つが代表的であるが,これらの分子標的治療薬も多くの臨床試験の結果,従来の多剤併用療法との組み合わせで臨床の場に登場した.本稿ではこれら2つの分子標的薬について臨床試験の結果を中心に紹介する.
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