今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
V 腫瘍
【子宮頸癌】87.進行子宮頸癌の患者です.5─FU系の薬剤で外来維持化学療法中に食欲不振,口内炎などの副作用が出現しました.
松井 英雄
1
1千葉大学医学部産婦人科
pp.606-607
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101520
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1 診療の概説
子宮頸癌は0期のcarcinoma in situ(CIS)から肺転移などの遠隔転移を認める4期までに分類され,CISでは単純子宮全摘や円錐切除などの手術療法が一般的に行われ,最近では妊孕性温存や侵襲の問題から円錐切除が一般的となっている.
1期は病巣の広がりにより微小浸潤癌であるIa期(Ia1期,Ia2期)と病巣が肉眼的に確認できるIb期(Ib1期,Ib2期)に分類される.Ia1期のリンパ節転移率は0.5~1.2%程度であり,その治療はCISと同様の単純子宮全摘術や円錐切除で十分とされる.一方,間質浸潤の深さが3 mmを超える1a2期では7~9%にリンパ節転移を認め,準広汎子宮全摘術や広汎子宮全摘術+骨盤内リンパ節郭清が施行される.浸潤癌であるIb期(Ib1期,Ib2期)の治療法は本邦と外国では異なり,本邦では広汎子宮全摘術が原則として行われ,必要に応じて術後放射線療法や放射線,化学療法同時併用療法(concurrent chemoradiation : CCR)が行われている 1).
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