今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
V 腫瘍
【卵巣腫瘍】86.外来管理を続けている卵巣癌患者です.CA125が正常上限の2倍以上の値を2回確認しました.
吉崎 陽
1
1岩手医科大学医学部産婦人科
pp.603-605
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101519
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1 診療の概説
卵巣癌の年齢調整罹患率は1975年に女性人口10万当たり3.6であったが1998年には6.5となり,乳癌と大腸癌・直腸癌と同様に増加している 1).2004年の人口動態調査による死亡数は4,420人,年齢調整死亡率は4.5と,死亡数・死亡率ともに増加傾向にある 2).卵巣癌は発生の予防法と早期発見の方法が確立しておらず,発見後の確実な初回治療と,再発・再燃の的確な発見を目的とした理論的な管理,さらに再発腫瘍に対する適切な治療が予後の向上に有用である.卵巣癌患者の管理は最近エビデンスが集積され,日本婦人科腫瘍学会により「卵巣癌治療ガイドライン」が上梓され,主要な卵巣腫瘍については理論的な裏づけに基づいた合理的な管理が行われるようになった 3).ここではこのガイドラインに沿って記載する.
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