今月の臨床 子宮頸癌の治療─現状と展望
子宮頸癌の疫学と動向
岩坂 剛
1
1佐賀大学医学部産科婦人科学
pp.780-785
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101379
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はじめに
IARC(International Agency for Research on Cancer)によると,2000年における全世界の子宮頸癌罹患数は約47万人と推定され,そのうちの約半数の23万人以上が死亡している.一方,同じ臓器に発生する子宮体癌の罹患数は約19万人,死亡数は約4.5万人と推測されており,先進欧米諸国における分布と大きな相違を示している.世界的レベルでは,体癌対策より頸癌撲滅のほうが未だ優先課題となっている.
本稿では,本邦における頸癌罹患状況を世界の事情と比較するとともに,疫学面での最近の動向について概説する.また,頸癌発症の原因と考えられているヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染の疫学と今後の活用について考察する.
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