連載 婦人科腫瘍切除標本の取り扱い方・4
子宮頸癌切除標本の取り扱い方
山崎 文朗
1
,
徳永 藏
1
,
岩坂 剛
2
1佐賀医科大学医学部病理学講座
2佐賀医科大学医学部産婦人科学教室
pp.732-735
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904364
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はじめに
切除標本の取り扱いは,良質な組織標本を作成し正確な病理診断を得て,患者の予後推定を含めた正確な病態把握や最良の治療方針の決定を下すうえで極めて慎重に行わなければならない.通常,切除標本を固定し病理検査に提出されるまでは臨床医が取り扱い,その後の切り出しや組織学的検索は主として病理医が担当する場合が多い.このため,臨床医と病理医間の密接な連絡が重要である.臨床・病理医間で長年築き上げられた独自の取り扱い方法もよいが,本邦では「子宮頸癌取扱い規約」(以下「規約」と約す)1)に基づき統一された方法で登録・検索がなされている.筆者らも規約に準じて取り扱っており,取り分け奇抜な方法を用いているわけではない.日常の経験をもとに子宮頸癌切除標本の取り扱いについて若干の注意事項を加えながら病理医の立場から述べてみたい.
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