連載 症例
凍結療法とステロイド局注の併用が有効であった腹部創部ケロイドの1例
佐藤 賢一郎
1
,
水内 英充
2
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
2みずうち産科婦人科
pp.222-225
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100635
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今回,横行結腸癌,子宮頸癌術後のケロイド病巣に対し,スプレー式凍結療法とステロイド局注の併用療法が有効であった1例を経験した.症例は42歳,1経妊,1経産で,37歳時に横行結腸癌にて切除・端々吻合術を施行.不正性器出血の主訴で2001年1月9日に初診し,子宮頸癌Ib2期(腺癌)の診断で,術前動注化学療法の後に同年4月5日に広汎性子宮全摘術を行った.術後に補助化学療法を追加し経過観察をしていたところ,2002年11月20日に下腹部創部のベルトの位置あたりに疣状隆起の訴えがあった.次第に増大するため径4~5 mmの時点で本併用療法を行うこととした.1回の治療で平坦化しその後も再発を認めていない.
ケロイド病巣は小さくても治療に難渋する.本治療法は,本邦の産婦人科領域では初めての報告例と思われるが,産婦人科領域のケロイド病巣に対しても有効である可能性が示唆され,今後,検討に値するものと思われる.
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