今月の臨床 婦人科の新しい画像診断法─PETを中心として
ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)
臨床での位置づけ
婦人科領域での有用化
悪性腫瘍診断における展望
子宮癌におけるFDG─PET検査の有用性および限界
大野 正文
1
,
金西 賢治
1
,
秦 利之
1
1香川大学医学部母子科学講座周産期学婦人科学
pp.1471-1475
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100431
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はじめに
悪性腫瘍における18F─FDG(2─deoxy─2─fluoro─D─glucose)を用いたpositron emission tomography(PET)検査は,従来の形態画像検査だけでは得られない癌組織の代謝情報も評価でき,悪性腫瘍患者の診療において大きな役割を果たすことが期待されている.これまでにも肺癌,乳癌,大腸癌などでは,その有用性が数多く報告されているが,婦人科腫瘍疾患では保険適用の点などで広く臨床に応用されていないのが現状である.香川大学医学部附属病院では,2002年6月より本検査が導入されるとともに臨床応用が始まり,当科においても子宮頸癌,子宮体癌,および卵巣癌症例に対してインフォームド・コンセントを得てPET検査を施行してきた1).
本稿では,これまでの当科での子宮癌症例について,治療開始前の原発腫瘍,骨盤リンパ節および傍大動脈リンパ節の評価,全身への病巣の拡がりの評価について述べる.最後に肉腫との鑑別という点で,子宮筋腫における本検査の意義について述べる.
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