今月の臨床 婦人科の新しい画像診断法─PETを中心として
ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)
臨床での位置づけ
婦人科領域での有用化
治療効果判定
武隈 宗孝
1
,
前田 真
1
1県西部浜松医療センター産婦人科
pp.1464-1469
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100430
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はじめに
ここ数十年来,CT/MRIのような非侵襲的で優れた解像力を持つ断層撮影装置の開発は著しく進歩し,現在では臨床的に大変有用とされている.しかし,それらの欠点として病巣の形態学的な異常の検出にとどまり,機能的変化を捉えることは不可能であるということが挙げられる.一方で,PET(positron emission tomography)は病巣の形態ではなく生理学的,生化学的変化を評価することができるため,CT/MRIとは根本的に異なった画像診断法と考えられ,さまざまな分野でその有用性が報告されてきた.
近年,悪性腫瘍領域でもPETは広く臨床応用されている.なかでもFDG(fluoro─deoxy─2─glucouse)─PETは有用であるとする報告は多い1~3).FDG─PETは組織の糖代謝を画像化する検査で,その解像力はCT/MRIと比較して劣るが,悪性腫瘍組織の部位同定や腫瘍の活動性の半定量化(standardized uptake value : SUV)も可能であり,従来の画像診断ではなしえなかった質的診断も可能としている.
FDG─PET検査は2002年4月から保険適用となり,各領域で臨床応用されている.今回,婦人科悪性腫瘍領域におけるPET検査の位置付けについて,治療効果判定を中心に自検例を含めて概説したい.
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