今月の臨床 女性診療科外来プラクティス
VI 更年期・老年期外来
3. 性器脱,膀胱・直腸瘤,排尿障害
石河 修
1
,
角 俊幸
1
1大阪市立大学大学院医学研究科女性病態医学(産科婦人科学)
pp.563-573
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100100
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1 はじめに
近年,わが国における高齢化社会の進行は著しく,そのため性器脱や排尿障害といったいわゆる女性骨盤底医学(female urologyやurogynecologyとも称される)の領域の疾患は増加の傾向にある.これらの疾患は,生命には直接支障をきたさないものの,健康度やQOLを著しく低下させ,社会的な問題となっている.本稿のテーマは,「性器脱,膀胱・直腸瘤,排尿障害」であるが,性器脱,膀胱・直腸瘤はその成因から最近では「骨盤内臓器脱」と称されるようになっている.また,更年期・老年期女性の排尿障害(下部尿路症状)の大部分は「尿失禁」であるため,本稿ではこの2つについて解説する.
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