図解 初心者のための手術理論 再建手術
子宮脱,膀胱脱,直腸脱,腸脱
武田 佳彦
1
,
滝沢 憲
1
1東京女子医科大学産婦人科
pp.767-771
発行日 1987年11月10日
Published Date 1987/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207689
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
子宮,膀胱,直腸などは泌尿生殖裂孔(腟)を通してしばしば下垂脱出する。2本足で歩き経腟分娩する結果,骨盤諸臓器支持靱帯はある程度弛緩するので,これら臓器の下垂脱は宿命的かもしれない。
骨盤内臓器は生理的に離れているが,骨盤底部からみると,腟筋膜(Fascia vaginalis),腟上部筋膜(Fasciasupravaginalis),子宮腟部で連なっている。骨盤中央に位置する子宮や,その前後の膀胱・直腸は,子宮を中心とする支持装置(図1)で支えられている。図1の中で最も重要なものは肛門挙筋(M.Levator ani)と基靱帯(Cardinal ligament)の2つと考えられる。これらの支持懸垂装置の弱化弛緩により子宮は膀胱・直腸と同時に下垂・脱出する。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.