Japanese
English
臨床経験
Mycobacterium marinumによる腱鞘炎の1例
Tenosynovitis due to Mycobacterium marinum : A Case Report
真智 俊彦
1
,
浜岡 寛士
2,3
,
原田 和朋
4
,
宮本 幸恵
5
,
赤碕 外志也
2
Toshihiko Machi
1
1恵寿総合病院内科
2恵寿総合病院整形外科
3現:浜口整形外科クリニック
4恵寿総合病院形成外科
5恵寿総合病院検査室
1Department of Internal Medicine, Keiju General Hospital
キーワード:
Mycobacterium marinum
,
マイコバクテリウムマリヌム
,
tenosynovitis
,
腱鞘炎
,
mycobacteria
,
抗酸菌
Keyword:
Mycobacterium marinum
,
マイコバクテリウムマリヌム
,
tenosynovitis
,
腱鞘炎
,
mycobacteria
,
抗酸菌
pp.99-101
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908318
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抄録:海岸での外傷をきっかけにMycobacterium marinumによる手指の腱鞘炎をきたした1例を経験した.67歳の男性が海に浮かぶ木材を扱う時に左3指を切った,疼痛と腫脹が手掌にまで拡がり,受傷2カ月後に腱鞘切開が行われた.滑膜は増殖し,病理学的にはラングハンス巨細胞を含む肉芽腫が認められたが抗酸菌染色は陰性であった.抗酸菌培養でM. marinumが分離同定され,rifampicinとethambutolで治癒した.検索しえた範囲では本例は日本で6例目の本菌による腱鞘炎であった.発症背景が不明な1例を除いた5例は,船員や鮮魚店員であったり,魚のトゲが刺さったり,といった海水,海水魚からの感染を示唆する背景を有した.本菌の発育は通常の37℃培養では不良か不能であるので,注意を要する.本菌はわれわれの症例で分離された株のように,isoniazidに耐性のことが多い.
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