Japanese
English
臨床経験
股関節固定術後の長期経過により生じたと思われる腰部脊柱管狭窄症の1例
Lumbar Spinal Canal Stenosis Induced after a long History of Hip Arthrodesis : A Case Report
服部 哲
1
,
司馬 立
1
,
蔡 詩岳
1
,
曽雌 茂
1
,
根本 高幸
1
,
藤井 克之
1
Akira Hattori
1
1東京慈恵会医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Jikei University School of Medicine
キーワード:
leg length discrepancy
,
下肢長差
,
hip arthrodesis
,
股関節固定術
,
degenerative lumbar scoliosis
,
腰椎変性側弯
Keyword:
leg length discrepancy
,
下肢長差
,
hip arthrodesis
,
股関節固定術
,
degenerative lumbar scoliosis
,
腰椎変性側弯
pp.103-106
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908319
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抄録:幼少時に股関節固定術を受けた後に著しい下肢長差をきたし,40年の経過中に腰椎変性側弯から2次性に脊柱管狭窄を生じたと思われる1例を経験した.症例は50歳の男性で,右下肢しびれ感ならびに間欠跛行を主訴に来院した.既往歴として,幼小児期に肺結核および結核性股関節炎に罹患し,10歳時に股関節固定術を受けている.来院時,右下肢は約11cm短縮し,左下肢主荷重の跛行を呈していた.画像所見から腰椎の側弯変形ならびに脊柱管狭窄が認められたため,L3/4,L4/5の拡大開窓術を行い症状は軽快した,腰椎変性側弯は,腰部脊柱管狭窄の一病態とされているが,本症例では,著しい下肢長差に起因する不良姿勢ならびに運動時に加わる腰椎部への過剰な負荷により脊柱の変形をきたし,脊柱管狭窄を生じたものと考えられる.したがって,股関節固定術を行う場合には,年齢のみならず,骨盤傾斜や腰椎にも十分に注意を払って適応を決めるべきと考える.
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