Japanese
English
臨床経験
SLEの治療中,結核性腱鞘炎を合併した1例
A Case of Tuberculous Tenosynovitis with Systemic Lupus Erythematosus
大島 学
1
,
福居 顕宏
1
,
山内 亨
1
,
高倉 義典
1
,
大川 隆太郎
2
Manabu Oshima
1
1奈良県立医科大学整形外科
2東大阪市立総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nara Medical University
キーワード:
tenosynovitis
,
腱鞘炎
,
tuberculosis
,
結核
,
systemic lupus erythematosus
,
SLE
Keyword:
tenosynovitis
,
腱鞘炎
,
tuberculosis
,
結核
,
systemic lupus erythematosus
,
SLE
pp.219-223
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903215
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抄録:近年,結核の罹患率は再び上昇し,膠原病やAIDSに合併した結核感染が最近の問題となっている.膠原病に対しステロイドを投与することで,細菌感染に対する感受性が増大し,結核の合併が時折見られている.今回,われわれは52歳女性のSLEの治療中,右示指に結核性腱鞘炎を発症した1例を経験したので報告する.この症例は肺外結核であり,胸部X線写真上には明らかな異常陰影が見つけられなかった.滑膜炎の診断のもと手術を行ったところ米粒体の存在が認められ,かつ組織学的検索により,乾酪壊死を伴う類上皮細胞の増生を認めた.結核感染を疑い,病巣の可及的切除と抗結核療法を行った.術後3年の現在,若干の可動域制限が残存するものの,結核の再発は見ていない.今回のようなステロイド投与患者における四肢の慢性炎症でステロイドの局所注入が奏効しないときは,結核感染をも念頭に入れて診察を進めねばならない.
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