Japanese
English
臨床経験
非定型抗酸菌による手指屈筋腱腱鞘炎の1例
Flexor Tenosynovitis of the Hand Caused by Atypical Mycobacterium: A Case Report
柏木 直也
1
,
粟屋 梧老
1
,
神里 晋
1
,
岡田 温
2
,
二見 徹
3
Naoya Kashiwagi
1
1小倉記念病院整形外科
2京都市立病院整形外科
3滋賀県立小児保健医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kokura Memorial Hospital
キーワード:
非定型抗酸菌
,
atypical mycobacterium
,
腱鞘炎
,
tenosynovitis
,
Mycobacterium aviumintracellulare
Keyword:
非定型抗酸菌
,
atypical mycobacterium
,
腱鞘炎
,
tenosynovitis
,
Mycobacterium aviumintracellulare
pp.741-744
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900131
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抄録:非定型抗酸菌による肺外病変の報告は稀である.我々は,抗酸菌培養にて起因菌がMycobacterium avium-intracellulareと同定された手指屈筋腱化膿性腱鞘炎の1例を経験した.症例は33歳の健康な女性.特に誘因なく右母指尺側の腫脹に気付き,1カ月後には右手関節掌側にも疼痛を伴う腫脹が出現し,右手指および右手関節の運動障害を来すようになった.本疾患は症状が軽度で,進行が緩徐なものが多いため確定診断がなされないまま長期にわたり誤った治療を受けていることが多い.しかしながら,我々の症例では比較的症状の進行が急速であり,病理組織学的および細菌学的検索により確定診断が得られ,手術的治療と化学療法の併用により良好な結果が得られた.
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