Japanese
English
臨床経験
稀な結核症の2例―足趾骨結核と手部結核性腱鞘炎
Tuberculous Dactylitis of the Toe and Tuberculous Tenosynovitis of the Hand: A Report of Two Cases
辻 正二
1,2
,
熊野 潔
1
,
高見 博
1
,
平林 茂
1
,
小川 裕
1
,
青田 洋一
1
,
泉 康次郎
1
Seiji Tsuji
1,2
1関東労災病院整形外科
2現:信原病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kantoh Rosai Hospital
キーワード:
結核症
,
tuberculosis
,
腱鞘炎
,
tenosynovitis
,
風棘
,
spina ventosa
Keyword:
結核症
,
tuberculosis
,
腱鞘炎
,
tenosynovitis
,
風棘
,
spina ventosa
pp.1405-1408
発行日 1993年12月25日
Published Date 1993/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901268
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:最近の本邦では稀な足趾骨結核と手部結核性腱鞘炎とを,在日外国人で経験したので報告する.
症例1は25歳のバングラデシュ人の男性で,左第3足趾基節骨の結核である.骨髄炎の診断にて骨幹部の徹底的な病巣郭清の後,腸骨移植を行い,鋼線固定を行った.切除標本の病理組織像と細菌培養とから結核と診断された.またナイアシンテストも陽性であった.術後1年5ヵ月目に第3足趾の槌指変形に対してHerbert screwを用いた近位指節間関節固定術を行った.症例2は57歳の韓国人女性で,右母指基部と手関節部の結核性腱鞘炎である.CTとMRIとが病巣範囲の診断に有用であった.可及的に病巣を郭清した.2例とも炎症は完全に治癒し,機能障害は残していない.最近では在日外国人の結核が増加しているため,同様な病態に対しては,結核の可能性を常に考慮しておく必要がある.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.