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特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)
頸椎前方手術後のC5神経麻痺の問題点と解決法
Study of Cervical C5 Palsy after Cervical Anterior Decompression Surgery
四宮 謙一
1
,
古屋 光太郎
1
,
黒佐 義郎
1
,
渕岡 道行
1
,
山浦 伊裟吉
2
,
佐藤 浩一
3
Kenichi Shinomiya
1
1東京医科歯科大学整形外科学教室
2九段坂病院
3済生会川口総合病院
1Tokyo Medical and Dental University, Department of Orthopaedic Surgery
キーワード:
頸椎前方手術
,
cervical anterior decompression
,
C5神経麻痺
,
C5 palsy
,
内固定法
,
intemal fixation
Keyword:
頸椎前方手術
,
cervical anterior decompression
,
C5神経麻痺
,
C5 palsy
,
内固定法
,
intemal fixation
pp.421-428
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908083
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抄録:前方法,後方法を問わず,頸椎症性脊髄症の手術後に三角筋,上腕二頭筋などの筋力低下を示す症例を時として経験するが,その大部分は術直後に症状を認め,不適切な術中操作,除圧範囲の問題などが原因と考えられた.今回頸椎前方除圧手術後の症例の中には,術後3〜4日目以降に発症する遅発症例があることが明らかとなってきた.このような症例は,術後の経時的なX-P,脊髄造影,CTM所見より,その原因が術後の頸椎の変形によるC5神経根の障害と考えられた.このような頸椎前方手術後のalignmentの破綻を起こす原因を考えると,腸骨移植の問題,移植骨・椎体母床の採型の問題,臥床中の頸椎固定姿位の問題などが考えられる.この合併症を防ぐためには,横倒れ,回旋変形などが起こらないように移植骨の採型を工夫し,さらに3椎間以上の広範な前方除圧術にはsapphire screwなどの内固定を加えることにより解決できると考えた.
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