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特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)
頸椎前方固定術後の非固定椎間不安定性
Cervical Instability at the Non-fused Level after Anterior Spinal Fusion
白崎 信己
1
,
冨士 武史
1
,
平山 直樹
1
,
久保 雅敬
1
,
濱田 秀樹
1
Nobuki Shirasaki
1
1大阪府立病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka Prefectural Hospital
キーワード:
頸椎
,
cervical spine
,
前方固定術
,
anterior spinal fusion
,
不安定性
,
instability
,
椎間関節
,
intervertebral joint
,
傾斜角
,
inclination angle
Keyword:
頸椎
,
cervical spine
,
前方固定術
,
anterior spinal fusion
,
不安定性
,
instability
,
椎間関節
,
intervertebral joint
,
傾斜角
,
inclination angle
pp.411-419
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908082
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抄録:頸椎前方固定術後の非固定椎間での不安定性を出現させる因子を探るため,固定術34例のX線像を検討した.術後の不安定性の出現は6例に認めた.3例では術前可動域の大きな椎間が固定隣接椎間となっていた.6例中,術後非固定椎間での前方すべりを生じたものは4例5椎体あり’その椎間関節傾斜角は1椎体を除き対照のmean+S.D値以上であった.即ち,椎間可動域の大きな椎間,椎間関節傾斜角の大きい椎体が固定椎間に含まれない場合に,不安定性を生じる可能性が高かった.
さらに,椎間関節傾斜角の,変性に伴うすべりに対する関与を調査するため,頸部脊髄症手術例58例274椎間の術前X線像を検討した.前方すべりは14椎間,後方すべりは44椎間にみられた.椎間関節傾斜角の大きさが対照のmean+S.D値以上のものに,前方すべりの発生率が有意に高かった.また,椎間関節傾斜角の配列の乱れを示すものに,後方すべりの発生率が有意に高かった.
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