Japanese
English
特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)
誘発馬尾神経電位による腰部脊柱管狭窄症の電気生理学的診断
Diagnosis of Lumbar Canal Stenosis Using Evoked Cauda Equina Potential
四宮 謙一
1
,
古屋 光太郎
1
,
佐藤 良治
1
,
佐藤 雅史
1
,
岡本 昭彦
1
,
佐藤 浩一
2
,
小森 博達
2
Kenichi Shinomiya
1
1東京医科歯科大学整形外科
2済生会川口総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Medical and Dental University, School of Medicine
キーワード:
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar canal stenosis
,
誘発馬尾神経電位
,
evoked cauda equina potential
Keyword:
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar canal stenosis
,
誘発馬尾神経電位
,
evoked cauda equina potential
pp.515-521
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907615
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:腰部脊柱管狭窄症は臨床症状ならびに脊髄造影を含めたX線学的所見により診断をつけられている.しかし神経の生理的機能障害の表現である神経症状を示すこの疾患を診断するためには,神経生理学的所見を捕えることが重要である.そこで腰部脊柱管狭窄症15例を含む腰椎疾患24例について誘発馬尾神経電位(Evoked Cauda Equina Potential,ECEP)を導出し臨床的な術前検査として応用した.方法は仙骨裂孔から刺激,ならびに記録のカテーテル電極2本を挿入し,刺激を仙椎硬膜外に設置し,上行する誘発馬尾神経電位を腰椎硬膜外の各高位に設置した記録電極から導出するものである.誘発馬尾神経電位は50〜60mの速度で伝導する陰性波として記録できたが,対象症例24例中17例に馬尾神経伝導障害を認めた.高度腰部脊柱管狭窄例では全例に馬尾神経伝導障害があり,その症状発生に大きく関与していると考えられた.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.