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特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
論文
腰部脊柱管狭窄症に対する拡大開窓術後の不安定性について
Lumbar Instability after Wide Fenestration to Lumbar Canal Stenosis
大川 淳
1
,
山浦 伊裟吉
1
,
黒佐 義郎
1
,
宮沢 あかね
1
,
中尾 清孝
1
,
中井 修
2
Atsushi Ookawa
1
1九段坂病院整形外科
2諏訪中央病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kudanzaka Hospital
キーワード:
変性腰椎
,
degenerative lumbar spine
,
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar canal stenosis
,
腰椎不安定症
,
lumbar instability
,
拡大開窓術
,
wide fenestration
Keyword:
変性腰椎
,
degenerative lumbar spine
,
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar canal stenosis
,
腰椎不安定症
,
lumbar instability
,
拡大開窓術
,
wide fenestration
pp.439-447
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900084
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抄録:中心性狭窄を呈する腰部脊柱管狭窄症30例56椎間に対する拡大開窓術後,長期経過観察(平均5年)で12例13椎間に不安定性が認められ,うち2例は短期成績優から不可に悪化した.そこで,術前X線立位2方向像において術後の不安定性に関与する因子についてretrospectiveに検討した.その結果,後方・側方すべり,椎間板の側方模状化などが危険因子であり,逆に下関節突起の下位椎弓へのくい込みや椎弓根と下位上関節突起尖端との接触,kissing spineなどは安定化に寄与していることが分かった.術後これらの部分は椎間板の狭小化とともに骨硬化・肥大を呈することが多く,椎間板機能が破綻した場合,後方要素が圧迫荷重の一部を代償性に負荷し,新たなthree-joint complexを形成することが推定された.術前よりこのthree-joint complexが破綻しているか,除圧によりこれを保持しえない場合は固定術併用の適応と考えられる.
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