Japanese
English
特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)
脊髄鏡による癒着性クモ膜炎の診断—腰部脊柱管狭窄症における手術成績不良例の検討
Myeloscopic Findings for Diagnosis of Adhesive Arachnoiditis
三田 冨士雄
1
,
佐藤 悠吉
1
,
須永 明
1
,
大井 淑雄
1
Fujio Mita
1
1自治医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Jichi Medical School
キーワード:
癒着性クモ膜炎
,
adhesive arachnoiditis
,
脊髄鏡
,
myeloscopy
Keyword:
癒着性クモ膜炎
,
adhesive arachnoiditis
,
脊髄鏡
,
myeloscopy
pp.507-513
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907614
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:腰部脊柱管狭窄症の治療は椎弓切除術に代表される除圧手術が広く行われ,良い成績を得ている.しかしながら,手術成績不良例の存在も見逃すことはできない.その原因としてlateral spinal canal stenosisやpostoperative instabilityが注目され,これに対応した手術が行われるようになってきた.癒着性クモ膜炎の占める割合も高く,Burtonは16%であったと報告している.従来より癒着性クモ膜炎の診断には脊髄腔造影術が有用であるといわれていたが,診断には困難なことは少なくない.われわれは癒着性クモ膜炎の診断に脊髄鏡を応用しているが,本法は直視下に病変を観察することにより微細な変化をもとらえる利点を有しており,本疾患の診断には優れた検査法であると考えている.
multiply operated backを避ける上からも癒着性クモ膜炎の存在を確認することは重要なことであり,脊髄鏡検査法の有用性は高いと考えている.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.