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特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)
腰部脊柱管狭窄症におけるダイナミックMRIの有用性―馬尾の血流動態の観察
Dynamic MRI for Evaluation of Lumbar Canal Stenosis
鈴木 良彦
1
,
小林 茂
1
,
吉澤 英造
1
,
中井 定明
1
,
志津 直行
1
,
早川 克彦
2
,
中根 高志
2
Yoshihiko Suzuki
1
1藤田保健衛生大学医学部整形外科
2愛光整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fujita Health University School of Medicine
キーワード:
lumbar canal stenosis
,
腰部脊柱管狭窄症
,
cauda equina
,
馬尾
,
dynamic MRI
,
ダイナミックMRI
Keyword:
lumbar canal stenosis
,
腰部脊柱管狭窄症
,
cauda equina
,
馬尾
,
dynamic MRI
,
ダイナミックMRI
pp.327-341
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902137
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抄録:腰部脊柱管狭窄症をみられる間欠性跛行の病態を検索する目的で,ダイナミックMRIを使用し馬尾の血流動態を観察した.またMRI横断像より,硬膜管横断面積を計測し,馬尾の血流動態の変化と比較・検討した.その結果,硬膜管横断面積が100mm2以下の高位で馬尾内の信号強度が上昇し,2椎間例では最狭窄部の近位で信号強度の上昇が持続していた.この信号強度の変化を裏づける目的で,イヌを用いて馬尾絞扼モデルを作製した.このモデルの造影MRIでは絞扼部を中心に馬尾の造影効果がみられ,蛍光顕微鏡下の観察では根内浮腫像を認めた.この変化は臨床例のダイナミックMRIでみられた脊柱管狭窄部の馬尾内の信号強度の上昇,すなわち根内浮腫像を反映していると考えられた.またこのモデルの組織像では,絞扼部とその近位の後根,そして遠位の前根で静脈のうっ血とワーラー変性が生じており,この変化は臨床例のダイナミックMRIでみられた狭窄部近位での造影剤の貯留を反映していると考えられた.
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