Japanese
English
論述
最近の化膿性脊椎炎について—10年間の臨床経験から
Pyogenic Osteomyelitis of the Spine: Clinical Analysis of the Cases during the Past 10 Years
宮本 達也
1
,
大谷 清
1
,
柴崎 啓一
1
,
中井 定明
1
Tatsuya Miyamoto
1
1国立療養所村山病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Murayama Hospital
キーワード:
化膿性脊椎炎
,
pyogenic osteomyelitis of the spine
,
結核性脊椎炎
,
tuberculous osteomyelitis of the spine
Keyword:
化膿性脊椎炎
,
pyogenic osteomyelitis of the spine
,
結核性脊椎炎
,
tuberculous osteomyelitis of the spine
pp.531-539
発行日 1986年5月25日
Published Date 1986/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907410
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抄録:最近10年間に経験した化膿性脊椎炎37例の,臨床像,診断と治療を検討した.性別は3:2で男性に多く,平均年齢は50歳で,最近の傾向として男女比の均等化,患者の高齢化を認め,以前の10年間と比較して,患者数が約2倍に,結核性脊椎炎との比率が約4倍に増加した,罹患高位は約70%が腰椎以下であり,初診時診断は15例が結核性脊椎炎であった.慢性経過例が多いが,約50%に初発時,発熱と疼痛を認めた.先行感染症は尿路系感染症が最も多かった.疼痛以外に腹部症状の愁訴が多く,腹部疾患との鑑別が重要である.対麻痺と尿閉を各1例に認めた.X線像で椎体の破壊と骨新生の混在するものが多く,結核性脊椎炎との鑑別が困難であった.
初期に適切な化学療法を行えば,約3ヵ月間の保存的治療で治癒した.陳旧例や確定診断がつかないものなど,約70%に手術を行い経過良好であったが,再発防止のため長期間の管理が必要である.
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