Japanese
English
論述
化膿性脊椎炎の現況と最近の特徴的な症例に対する対策
Current Problems with Pyogenic Spondylitis
土井 照夫
1
,
宮内 晃
1
,
橋本 一彦
1
,
森 俊陽
1
,
山本 利美雄
1
Teruo Doi
1
1大阪労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka Rosai Hospital
キーワード:
pyogenic spondylitis
,
化膿性脊椎炎
,
compromised host
,
易感染性患者
,
MRSA spondylitis
,
MRSA脊椎炎
Keyword:
pyogenic spondylitis
,
化膿性脊椎炎
,
compromised host
,
易感染性患者
,
MRSA spondylitis
,
MRSA脊椎炎
pp.727-735
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902458
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:最近,臨床の各分野で感染症が大きな問題となってきているが,脊椎外科の分野でも化膿性脊椎炎が増加し,特徴的な臨床像を示すものが現れてきた.その主な原因は悪性腫瘍患者,透析患者などいわゆるcompromised hostにおける発症が増加したことであり,そのほとんどが胸・腹部手術の術後感染などに引き続いて発症していた.脊椎自体の術後感染による脊椎炎も増加していた.これら脊椎炎では起炎菌にも変化がみられ特徴的な臨床像を呈して,新たな対応を必要とした.compromised hostの胸・腹部手術に続発したものはMRSA感染によるものが多く,ドレナージを主とした治療を行って良好な結果が得られたが,手術適応の問題など今後の大きな課題である.脊椎の術後感染によるものは脊柱管内の術前の病巣の残存,椎間板腔からの壊死組織の脱出などがあり,抗生剤の効果を確めて,後方からの神経除圧,椎間板腔および上下椎体の病巣切除,骨移植,pedicular screw固定で好結果を得た.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.