Japanese
English
臨床経験
化膿性脊椎炎の検討
Clinical Analysis of Pyogenic Spondylitis
島垣 斎
1
,
秋本 毅
1
,
今野 俊幸
1
Hitoshi Shimagaki
1
1鶴岡市立荘内病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Tsuruoka Municipal Syonai Hospital
キーワード:
化膿性脊椎炎
,
pyogenic spondylitis
,
椎間板炎
,
discitis
,
保存的治療
,
conservative treatment
Keyword:
化膿性脊椎炎
,
pyogenic spondylitis
,
椎間板炎
,
discitis
,
保存的治療
,
conservative treatment
pp.721-729
発行日 1986年6月25日
Published Date 1986/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907435
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抄録:過去10年間に当院で経験した化膿性脊椎炎の10例について検討し,本症の保存的治療について考察した.本症の臨床像は,抗生物質の発達などのため,近年著しく変化した.最近では,成人,特に高年者の椎体部に好発し,腰仙部罹患が多く,病型では急性型が減少している反面,軽度の自覚症をもって発症する潜行型が増加する傾向にある.治療法として,自験例では安静と抗生剤投与による保存的治療を主体とし,合併症に対してのみ手術的治療を付加したが,1例の再発例を含め全例を治癒に導くことができた.一方,10例中3例は安静のみにより病勢が沈静化したと考えられ,安静の重要性を再認識させられた.なお,抗生剤投与の期間については,未だに一定の見解は得られていないが,主に血沈値を指標として決定するとの報告が多い.しかしながら,CRPは血沈値よりも早期かつ忠実に病勢を反映するため,CRPの陰性化と同時に抗生剤投与を中止することも可能と考えられた.
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