小児化膿性脊椎炎

Pyogenic Spondylitis in Children

はじめに

　小児の化膿性脊椎炎は，比較的まれではあるものの，早期診断と迅速な治療介入が患者の予後を大きく左右する重要な疾患である．その一方，小児では自覚症状の訴えが明確でないことも多く，初期症状が多彩で特異的な検査所見に乏しく，その早期診断は容易ではないため，診断が遅れる傾向がある．小児期における脊椎感染症の最良な治療法を示すガイドラインはないが，成人向けの治療ガイドラインは公開されている^1）．本稿では，小児の化膿性脊椎炎に関して，臨床像，画像的特徴，治療法，後遺症などについて概説する．