特集 頸部脊椎症(第12回脊椎外科研究会より)
座長総括/Ⅶ.治療(4)の部
金田 清志
1
,
小野村 敏信
2
1北海道大学医学部整形外科学教室
2大阪医科大学整形外科学教室
pp.342-344
発行日 1984年4月25日
Published Date 1984/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906938
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本セクションでは頸椎症性脊髄症(CSM)に対する後方除圧に関する14題が発表された.椎弓切除とその後の脊柱スタビリティー,彎曲変形出現,椎弓縦割反転と固定術の併用,脊柱管拡大術の術式が中心であった.中村はen-block wide laminectomyの追跡調査を10例に行い,40歳女性の1例に後彎形成,他の1例で前彎消失が起こった.中村の手術方法ではfacet jointは温存している.藤田は術後のmalalignmentの起こった例はなかったが,術前に椎間関節傾斜角の大きな部位では角状後轡や可動域増大傾向があった.宮地はen-block laminectomyに硬膜切開を加えた41例の報告で特別な変形や不安定性の出現も臨床成績にも問題がなく,wide laminectomy(facet jointの内側に溝を作っている)で安定した成績を得ている.円尾は33例の椎弓切除後の検討で局所後彎の発生を3例に認め,頸椎可動域(Niemyer-Penning法)で10°以上の減少を20例に,8例は不変,4例で10°以上の増加を認めた.宮崎は桐田法により正中で縦割した椎弓を左右へ反転し,両側の側溝に骨移植を行う力法で17例の結果を述べた.2例で後彎変形が増大,8例に骨移植の癒合不全椎間があり,このうち6例は術前不安定性の存在した椎間である.
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