特集 頸部脊椎症(第12回脊椎外科研究会より)
座長総括/Ⅵ.治療(3)の部
井上 駿一
1
Shunichi Inoue
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.340-341
発行日 1984年4月25日
Published Date 1984/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906937
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治療(3)のセクションでは表のような9題の座長を勤めさせていただいたが,ここでは主として適応の問題が論じられた.
歴史的に見て頸部脊椎症の手術療法はAllen,Brain(1952)の発表以来laminectomyが先ず発展しついでSmith-Robinson(1955)らの前方術式の発表があり,とくに我国では1960年以来myelopathyに対し前方術式の優秀性が論ぜられて来た.しかし脊柱管狭窄の概念,OPLLに対するwide laminectomy(桐田),頸椎管拡大術(服部法)の登場があって再び頸部脊椎症に対して後方術式の価値が問いなおされて来たのが現況である.このセクションでは主として長期経過例の遠隔成績を再検討し適応を論じた発表が多く,その意味で治療(2)の前方固定術と治療(4)の後方術式である広範椎弓切除ないし形成的脊柱管拡大術の間のつなぎのセクションと言えよう.
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