特集 頸部脊椎症(第12回脊椎外科研究会より)
座長総括/Ⅷ.治療(5)の部
井形 高明
1
Takaaki Ikata
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.344-345
発行日 1984年4月25日
Published Date 1984/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906939
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治療(5)はCSMに対する観血的治療の成績ならびにその成績を左右する因子に関する演題であった.採用された手術法としては,前方路にするCloward法,Smith-Robinson法や椎体亜全摘術が後方路による椎弓切除術や椎弓拡大術の約6倍であったが,canal stenosisの概念が出された頃より,後方除圧術の採用が多くなってきている.総合的成績は平林による改善率で50%以上のようであった.論議の焦点は手術効果に影響する手術法の選択,年齢,罹病期間,病型や病態,とくにcanal stenosisとの関連に置かれていた.そこで,各演者の主旨を報告し,討論のポイントを総括する.
Ⅷ-1は35症例(男23,女12),観察期間平均2年4か月の手術成績について述べた.総合成績は優,良(平林法より)で45.7%,手術法別には大差はなかったが,椎弓切除術の成績が比較的良好であった.また,罹病期間が2,3年以上では劣り,とくにdevelopmcntal stenosisを有する多椎間障宵が不良であったと述べた.
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