Japanese
English
論述
頸椎椎弓切除時の後側方固定の試み
Cervical posterolateral fusion for control of instability following laminectomy.
宮崎 和躬
1
,
中井 徹
1
,
真鍋 克次郎
1
,
玉木 茂行
1
,
東 正一郎
1
,
松田 文秀
1
Kazumi MIYASAKI
1
1天理病院整形外科
1Dept. of orthop. surg., Tenri hospital.
キーワード:
頸椎椎弓切除時の後側方固定
,
cervical laminectomy with posterolateral fusion
Keyword:
頸椎椎弓切除時の後側方固定
,
cervical laminectomy with posterolateral fusion
pp.354-362
発行日 1980年4月25日
Published Date 1980/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906106
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はじめに
第51回日本整形外科学会総会にて,頸部脊椎骨軟骨症の術後1年以上経過した椎弓切除術例105例中追試可能例90例の術後成績を報告し,これらの症例と術後1年以上の頸椎後縦靱帯骨化症の椎弓切除術例129例の術後成績を比較検討したが,前者は有効以上75.2%,後者で86.8%と両者の間に成績の差が10%以上もあつた.
さらに,頸部脊椎骨軟骨症の90例中頸椎の不安定性の有無について検索できた症例は77例で,それらのうち術後不安定性増強例は13例16.9%となり,これら13例中3例が術後成績の悪化例であつた.これは全悪化例6例のうちの50%に当る.このように,頸椎症性脊髄症の椎弓切除術症例において,術後の不安定性増強の有無が術後成績を左右する大きな要因の一つである.とくに,頸部脊椎骨軟骨症においては,頸椎の運動性が減少している頸椎後縦靱帯骨化症と比べて,頸椎の運動性が大きい上に,不安定性の要素が加わつて,術後の頸髄に悪影響を与えるために,頸椎後縦靱帯骨化症より成績が低下しているのでないかと報告した.
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