論述
先天性脛骨完全欠損症の治療—腓骨脛骨化手術(Brown)の経験を中心に
熊谷 進
1
,
村上 宝久
1
Susumu KUMAGAI
1
,
Tomihisa MURAKAMI
1
1国立小児病院整形外科
pp.548-555
発行日 1977年6月25日
Published Date 1977/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905535
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はじめに
先天性脛骨完全欠損症は下腿の短縮,膝および足部の変形を伴い,その治療はきわめてむずかしいものの一つである.われわれは本疾患に対してBrown3)の方法に準じて腓骨の移動法を行つてきたが,現在までの経過をみれば,移動した腓骨は経年的に長径,横径ともに増大し脛骨化(tibialisation)が認められる.
また,膝関節もかなりの安定性と運動性の獲得がみられ,膝下装具(below the knee prosthesis)を装着してほぼ満足すべき状態にある.本法は症例を選んで行えば脛骨完全欠損症に対する有力な治療法と考えるのでここにその経験を報告する.
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