臨床経験
種々の奇形を合併した先天性両側性脛骨完全欠損症の1例
兼松 英夫
1
,
堀田 道男
1
,
所 忠
1
,
山路 兼生
1
Hideo KANEMATSU
1
1名古屋市立大学医学部整形外科学教室
pp.684-687
発行日 1972年8月25日
Published Date 1972/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904730
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はじめに
日常われわれ整形外科医が遭遇する種々の先天性奇形の中でも,四肢長管骨の先天性欠損症は比較的稀な疾患であり,しかも本症の特徴として長管骨欠損単独として見られることはむしろ少く,多くの場合その他の種々の奇形を随伴し,従つてそれだけに患者のADL障害も大きく,本症の治療法には今日なお多くの問題が残されている.
先天性脛骨欠損症は1841年,Ottoが記載して以来諸家の報告を見るが,本邦においても,大正5年金子の報告以来過去44例の報告を数え,うち両側性でしかも完全欠損の症例は8例を数えるのみである.
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