論述
先天性内反足に対する後方解離術の限界と問題点
松尾 隆
1
,
野村 茂治
2
,
藤井 敏男
2
,
熊谷 洋幸
2
,
近藤 正一
2
,
奥江 章
3
Takashi MATSUO
1
1九州大学医学部整形外科学教室
2九州労災病院整形外科
3佐賀県立病院整形外科
pp.213-224
発行日 1977年3月25日
Published Date 1977/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905486
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はじめに
先天性内反足治療の歴史の上で保存的治療の占める部分は大きく,中でもJ. H. Kiteは1つの頂点を形づくつている.Kiteはキャストテクニックの粋をこらして漸進的に内反足の各変形を矯正してゆけば内反足のあらゆる変形は矯正され得るとの考え方に立ち,具体的方法としては足内転,内反,尖足変形を順を追つて漸進的に矯正する方法を発表し,各変形を保存的に治療しようとする諸家を力づけることとなつている.
しかしながら反面,より愛護的,そして変形の本体へ迫ろうとする観血的矯正という時代の潮流に対しては明らかな逆行を示しており,内反足治療の壁になつた面も見逃すことはできない.
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